【「商品やサービス、会社名じゃなく、”人”で選ばれてるなあ」と最近実感しました】

あるクライアントが課題を抱えていました。
そのクライアントは、人伝てにA社に相談しました。
A社としては、その相談内容はあまり得意ではなかったので、「役割分担をしながら進めよう」とS社に持ちかけました。
S社は了解し、A社と一緒に取り組みを始めました。
ところが、その課題は「実は・・・」と後から切り出されたクライアントの告白により、当初の想定よりも複雑で難易度が高く、またスピード感も必要だとわかりました。
S社はすぐに状況を理解し、対応案を検討してA社に進言しました。
しかし、ここからのA社のスピードは信じられないくらい遅いものでした。
S社としては、クライアントのことを考えれば一刻を争う状況であり、早くクライアントとも協議を行い、手を打ちたいところです。
それでも、動かないA社。
『このままではクライアントに不信感を与えてしまう』と危機感を持ったS社は強くA社に迫りました。
すると、A社は「とりあえず、S社さんでクライアントと話してみてください。」とのこと。
すぐに、S社はクライアントと打合せを行いました。
想像以上の状況の悪さにクライアントはショックを受けましたが、S社のアクションプランの提示に理解を示し、引き続いての支援を要請しました。
2回ほどS社のみで打合せを重ねたその後、クライアントが「今後の対応でA社さんが必要ならば入って頂いてもよろしいですが、A社さん以上にやってくれるところがあれば、そちらでやって頂いても構いません。A社さんで無くても大丈夫ですよね?A社さん、ちょっとね。S社さんが”これがいい”と思うように、やり易いようにしてください。お任せします。」と。
“A社はどうなったでしょうか?”
A社にはもちろん状況は伝わりましたが、クライアントが満足する改善は示せず、プロジェクトから離れることになりました。
これ、完全に立場が入れ替わってますよね?
最初はA社がS社を連れて行っていました。
つまり、”A社あってのS社”だったはずです。
しかし、クライアントの信頼を勝ち得たのはどちらかは明白です。
既にお気付きだと思いますが、A社・S社って実はそのまま、Aさん・Sさんなんです。
つまり、担当者の対応の現れだったということです。
要は、クライアントは”会社(の名前)”で判断してるんじゃなかったということ。
よく言われていることですが、”この会社じゃないと”は勘違いで、”同じことができる会社はいくらでもある”、”同じ価値を提供できる会社はたくさんある”ということです。
事実、A社の代わりをS社は見つけることができました。
でも、A社でもよかったはずです。
A社でもできたはずです。
それが、仕事を失い、クライアントだけでなくS社からの信頼まで失ってしまったのは何故か?
やはり、決め手になるのは、”人”なんだと思います。
その人(担当者・責任者)が信頼できるかどうか?
“この人なら任せられる”、”この人と仕事がしたい”と思ってもらえるかどうか?
提供するもののクオリティが高いのは当たり前で、そこに『感情の満足感を如何にプラスするか?』がポイントなんだろう、と。
「うちはこれができます」だけではダメで、
『あなたはこうするべき。』
『私はこれであなたを助けることができる。』
『一緒にやりましょう!』
こういう姿勢が大切なんじゃないかな?と思っています。
僕はまさにこの姿勢・この気持ちでがんばるように心掛けています。
選んで頂けたクライアントとは、有難いことに良い関係を築けていると思います。
おかげで、とてもいい緊張感とやりがいの中で仕事ができていますね。
“会社”対”会社”の契約でも、決めるのは”人”ですよね?
『人で選ばれる・人が選ばれる時代』
そんなキーワードを実感するような出来事を目の当たりにしたお話しでした。