【”いつも忙しい人”と”いつも暇な人”。より成長できるのは・・・】

WokandapixによるPixabayからの画像

自分の職場や周りの人で、”いつも忙しそうな人”って、いますよね?
「仕事ができる人だから仕事が集中して、いつも忙しいんだろうな?」というかも知れませんが、あながちそうとも言い切れません。

確かに、一定レベル仕事ができるので、その人に仕事が集まりがちになることはありますが、「いつも忙しそうだ」と周りに思われてしまっている時点で、既にキャパオーバーというか心配される対象になっているとも言えます。
大きな問題は引き起こしていないのでしょうが、”大きな問題を起こしても不思議じゃない”と思われているということですね。

なので、私が”その人に自分の大事な仕事を任せるか?”と言えば、恐らく任せないでしょう。
理由は前述の通りで、大きな問題を起こす可能性があるからです。
少なくとも、そのリスクがちらついた時点で躊躇するのは間違いないですね。

一方、”いつも暇そうな人”もいますよね?

これは逆に「成果のクオリティが低い」「時間が掛かる」といった頼んでもメンドクサイことになるなど、いわゆる”仕事ができない人”の場合があります。
これが、周りの人達にバレてしまっているパターンですね。
こうなると、確かに暇でしょう。
これは、本人がどう思うか?どう感じているか?といった本人次第なところがあると思いますね。

この場合も、私がこの人に大事な仕事を任せることはあり得なくて、恐らく積極的に関わることは避けてしまうと思います。

”いつも暇そうな人”は、実はもうひとつ違うパターンがあります。

それは、『余裕があって暇に見える人』です。

「”余裕がある”って、仕事の量が少ないからなんじゃないの?」と言われるかも知れませんが、半分正解で半分間違いだと思います。

どういうことでしょうか?

”正解”の方からいくと、文字通り、”抱えている仕事が少ない”んです。

ただ、やるべき仕事とか与えられている役割が少ないという訳では無いんですね。
むしろ、他の人と比較した場合、その人のやるべき仕事の質も量も多いくらいかも知れません。
しかし、”抱えている作業”が少ないんです。
つまり、自分以外の人ができる”作業”は積極的に周りに振っているんです。
そして、自分は周りの作業を取りまとめて、仕事の成果を創り上げている。
このような仕事の進め方をしているんですね。

「周りにやらせているだけじゃないか」と言われるかも知れませんが、それは少し単純な解釈です。
”周りに振る”ということは、『誰に何をどのようにお願い(指示)すれば、時間通りに期待する成果を上げてもらえるか?』ということを把握しておかなければなりません。
その上で、常に進捗状況をモニタリングしながら、適宜コミュニケーションを取りながら調整し、進めていくのです。

そして、もっとも大切なのが
『上がってきた成果を最終的に仕上げるのは自分だ』
『この仕事の責任を取るのは自分だ』
と理解していることです。
これがわかっているからこそ、覚悟を持って人に仕事を振ることができるのです。

これができる人が”いつも暇に見える人”になる訳です。

そして、”間違い”の方についてお話しすると、このような人に仕事を振る人は、”何もせず、楽をするため”に、人に仕事を振っているのではありません。

むしろ、積極的に何かをするために、時間を創り出そうとしているのです。

その何かとは『新しいこと』です。

例えば、今までとは全く異なる未経験の仕事が目の前に現れた時、手持ちの仕事でいっぱいいっぱいだったら、その仕事ができるでしょうか?

その未経験の仕事は、会社や組織としても初めての試みで、誰も経験したことが無い。
「しっかりと腰を据えて取り組む必要がある」というそんな状況で、いつも忙しそうにしているその人に安心して任せることができるでしょうか?

私なら『多くの仕事を確実にこなしているけど、いつも余裕があるんだよな』という人に頼もうと思います。

そうなると、その人は全く新しいチャレンジができる訳で、またひとつ成長することができるチャンスを得ることになります。

仕事を担うということもそうですが、これは”学び”のチャンスについても同じことが言えます。

時間にも心にも余裕があれば、周りに対する見かたとアンテナの感度が変わってきます。
人と話し合ったり、文章を読んだり、得られる知識量や気付きも大きく変わってきます。

そして、そのことが自身を成長させて、更に仕事の成果の向上へと繋がることになります。

確かに、「膨大な仕事量を抱えて、周りに振ることができる人なんていない」という状況の方もたくさんいると思います。
それはそれで、大変な状況ということは理解できます。

ただ問題は、その状況に甘んじて、
『自分の時間を埋めることで満足していると思い込んで、次のステージにいくことから逃げていませんか?』
ということです。
毎日、忙しく目の前のやることだけをこなしていると、「あ~、自分は大変だ。だけど、よくやってる。」と満足感が出てきます。

同時に「だから、今のままでも仕方ない」と。

それは、少し厳しい見方をすれば、『自ら楽な道を選んでいる』とも言えます・

人それぞれの生き方、感じ方なので、どちらが良い悪いとは言えません。

ただ、『どちらがより成長しやすいでしょうか?』という質問に対しては、答えは明白では無いでしょうか?

”いつも忙しい人”は無抵抗に自分の時間を埋めているのでは無いか?
”いつも暇な人”は積極的に暇な時間を創ろうとしているのでは無いか?

『より成長できるのは・・・』

というお話しでした。

ゼネコン現場監督出身の現役建築プロジェクトマネジャーが語る『ツラい現場を経験した今も建設業界で生きている人間の実例』 Kindle版
諏訪寛  (著) 形式: Kindle版