【『仕事のミスを誤魔化しても誰も得しないよね』 という話】
会社に所属している人はとても多いと思います。
更に、何らかの組織やチームのメンバーとして仕事をしているのではないでしょうか?
組織やチームには自ずと”リーダー”がいると思います。
リーダーというのはとても大事で、例えば、リーダーが細部にこだわって、”この人は本当に細かいところまでこだわる人だ”というのが全体に伝わると、それ自体が全体の空気といい意味での緊張感を作り上げることに繋がったりします。
逆に、リーダー自身がピリッとしていないとなれば、メンバーそれぞれも自分の中の緩みみたいなものが自然と出てきたりするものです。
それをリーダーが見逃しているとメンバーの中で、「まあ、こんなもんなんだ」と仕事への士気や集中力がどんどん下がったりします。
なので、リーダーは”良いものを作ろう”と意識を高く持ち、メンバーにその意思を伝えることが大事です。
リーダーが細部にこだわってとことんまでやるというのは、自分が細部までのクオリティーを上げる以上に、メンバーそれぞれの熱量と覚悟に似た意識を上げて、全体でベストを目指すマインドを作りだすことです。
それができた時に、想像以上のとんでもない成果を生み出すことも可能になります。
優秀なリーダーは、そのことをよく理解しています。
そんな優秀なリーダーの元で仕事をするメンバーとして、いや、仕事をする上で当たり前のこととして、やってはいけないことは何でしょうか?
それは、『仕事でミスをした時に誤魔化すな』ということです。
何が言いたいかというと、「そこに穴がある以上、どうせ逃げ切れないんだから、言い逃れをするな」です。
建築プロジェクトは、実はかなりの分業制で、多くの関係者がそれぞれの役割と責任を背負って、ひとつの建物を一緒に造ります。
言わば、ひとつのチームです。
設計者、施工者、専門工事会社、僕達のようなプロジェクトマネジャー、発注者でさえ役割と責任を担っています。
そんな中で、自分のミスを隠すことや立場を守るためだけに「誤魔化し」や「言い逃れ」をされると、傷が拡がるんですよね。
そんなことをやったところで、時間の無駄でしかないじゃないですか?
はっきり言えば、『プロ相手に誤魔化しや言い逃れはできないよ』ということです。
みんなそれぞれ知識と経験を持ったプロが集まっています。
そんな誤魔化しは基本的に通用しないです。
ただ、プロであるはずの人の中にも「誤魔化し」や「言い逃れ」といった悪あがきしちゃう人も残念ながらいるんですよね〜。
大切なのは、「ミスが二度と起きないようにシステムを改善すること」なので、誤魔化されたら「今のはどういうことですか?」という確認と追求の作業が始まるわけじゃないですか?
問題があいまいなままプロジェクトを進めるのはリスクになるので。
つまり、システム改善が遅れるんです。
これは、建築プロジェクト僕の話じゃ無いと思います。
おそらく、多く仕事の現場でも同じようなことが起きているんじゃないか?と感じています。
特に世の中の若手ビジネスマンの方は気をつけた方がいいのが、その道のプロというのはこれまで同じような場面を何度も経験していて、「ん?」という違和感を直感的に捕まえることができるんですね。
そして、その違和感を徹底的に潰しに掛かる。
じゃないと、心配が拭えなくて気持ち悪いからです。
こうなると、「何故?」「どうして?」の繰り返し。
納得いくまで深掘りします。
そうなれば、誤魔化しや言い逃れなんて、通用しません。
結局、問題点は白日の元に晒されて、”誤魔化していた”という評価を突き付けられることになります。
つまり、「誤魔化すな」というよりも、「誤魔化しきれないよ」ということです。
一番問題なのは、大勢の人達の何よりも大切な「時間」を奪ってしまうということ。
これが、最も罪深い。
人間なんでミスや勘違いは誰にだってあります。
正直、僕もめちゃくちゃミスする人間なので、他人のミスを責める権利はないです。
言いたいのは、”ミスをしたこと自体よりも、大切なのはその後の対応”ということ。
ミスが発覚した時は、素直にミスを認めて状況を判断して、全力で巻き返すことです。
そんな対応をとった人に「この人は仕事ができない人だな」とはなりませんよね?
仕事ができない人というのは往々にして、まず自分のミスを誤魔化そうとします。
そして、その誤魔化しがバレて、みんなの時間を無駄に奪って、信用を失う。
仕事の場で信用を失うと、「また誤魔化すかも知れないから、もっと細かくチェックを入れよう」から「問題があったり、ミスがあっても誤魔化すし、言い逃れするかも?結果的に手間暇が増えたり、時間の無駄が増えるから、彼にはプロジェクトから外れてもらった方がいいな」といった感じで、仕事の機会を失っていくことになります。
ミスや勘違いをしてしまえば、恥ずかしいし、怒られるかも知れないし、自分の立場が苦しくなるかも知れないので、誤魔化したくなる気持ちも十分理解できます。
僕も日々、この弱い気持ちと戦っています。
ただ、これまでお伝えしたように、自分を含めて結局誰も得しません。
ミスをしたら素直に認めて謝って、全速力で巻き返す。
これができれば、ミスをしたことをプラスに変えることができます。
そうやって、知識と経験をひとつずつ積み重ねながら、プロフェッショナルになっていくのだと思います。
『仕事のミスを誤魔化しても誰も得しないよね』
という話でした。
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諏訪寛 (著) 形式: Kindle版