【建築設計者向けに『コストマネジメント支援』事業を始めました。】

Malachi WittによるPixabayからの画像

昨今、発注者さんのコスト意識の高まりがある一方で、発注者さん自らの要求事項とそのことによるコスト増の乖離に気が付かないまま、施工者さんに対する発注フェーズ(見積徴収段階)を迎え、予算オーバーなどの問題が明らかになり、設計の見直しを余儀なくされるというケースがよくあります。

このことにより、設計者さんの時間と手間が余計に掛かることになるだけでなく、プロジェクトの全体的なスケジュールの遅れとなることから、発注者さんの計画にも大きな影響が生じることとなります。

そして、発注者さんから、その責任の矛先が設計者さんに向けられることも多くあります。

「なんで、コストオーバーするような設計してるんだ?」

と。

設計者さんにしてみれば、

『いやいや、この内容であれば、厳しいかも知れないがこの金額で工事を受注できるはずだ。施工者の見積が高いんだ。』

と言いたいところでしょうが、施工者さん側も近年は全体的な労務不足がジワジワ進行している状況で、決して余裕のある状況ではありません。
そんな中でも、案件数は割とあるのでもはや無理をする状況でなく、大手を中心に選別受注に入っていることも事実です。
とは言え、余裕があって仕事を選んでいる訳では無く、会社としての生存戦略を睨みながらの受注活動となっていると言えます。

それに設計者さんの意識をもうひとつ覗くとしたら、

『だって、あなた(発注者さん)が追加でいろいろ希望を出してきてるじゃない。かと言って見栄え(デザイン)を犠牲にするのはおかしい。』

といったところもあるかと。

そういう訳で、プロジェクトを円滑に進めるためには、発注者さん・設計者さん・施工者さんがコストを含めた意識の共有を図ることが不可欠になります。

そして、お互いの意思(思惑)が端的に現れるのが”コスト”になります。

つまり、『しっかりとコストマネジメントを行いながらプロジェクトを進めること』が、プロジェクトを成功に導く大事なポイントとなります。

このことが、設計者さんから見たの”思想・デザインを守る”ことに通じる訳です。

今まで多くのプロジェクトで、発注者さん・設計者さん・施工者さんの意思共有が図れず、みんなが納得では無く、妥協による折り合いを付けざるを得ない場面を見てきました。

そしてこのダメージを、実は設計者さんがもっとも大きく受けているのでは?と思っています。

”設計者の思想・デザインを守る”と言いましたが、残念ながら、必ずしも発注者さん・施工者さんを説き伏せて、全面的に設計者さんの意思を通すということでは、決してありません。

何故なら、やはり建築プロジェクトは『発注者の思いを実現する』というのが、当たり前ですが大原則だからです。

正直、ここが理解出来ない設計者さんは、自然と必要とされなくなるでしょう。

逆に、ここをしっかり理解されている設計者さんは、発注者さんから信頼を勝ち取ることができ、これからもどんどん活躍されるでしょう。
是非一緒にお仕事をしたいものです。

業界では一般的に「設計者はコスト感覚が弱い」とよく言われています。

しかし、これはある意味当たり前です。

ポジショントークになりますが、建築積算含めたコストマネジメントは、設計スキルと同様にそれだけでひとつの職能と考えます。

建築プロジェクトを考えてみれば、”設計”・”施工”どちらにもコストを切り離すことはできない訳で、”積算/コストマネジメント”としっかり把握し取り込んでこそ、プロジェクトが成功へと向かいます。

ただ、設計者(設計の専門家)がこれを併せて行うのは、正直なかなか厳しいものがあります。
なので、『コストマネジメントのプロ』との協働をオススメする訳です。

発注者さん・設計者さん・施工者さん、みんなが満足できる建築プロジェクトがひとつでも多くなるようにお手伝いができればと考えています。

お気軽にお声掛けください。

詳しくはこちら ➡ 【設計者向け】建築コストマネジメント支援

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