建設現場でがんばる若いゼネコンマンへ 〜その14〜

Photo by koukichi_t

【僕が現場でやらかしたこと、あれこれ(3)】

前回までで、2つご紹介しましたが、いよいよ3つ目です。

これは、前2つと違って、とてもくだらない話かと思います(苦笑)。

それは、本社研修を終え、研修現場に配属になった正にその日に起きました。

所長に連れられて、現場に着いたのは昼前だったと思います。
現場の社員の方々にご挨拶をして、昼食を取りました。
午後は先輩にひと通り現場を案内して頂き、その後は設計図書や施工図、施工計画書なんかを見せてもらったと思います。
全然訳がわからなかったのは言うまでもありません。

夕方が近くなった時に、所長から新人3人に声が掛かりました。
「今日、夜に現場のメンバーで花見に行くんだけど、来れる?」
突然の話に、僕たちは一瞬顔を見合わせましたが、
『ハイ、大丈夫です。』
と。
「そう。よかった。支店から部長も来るからね。」
と言って、行ってしまいました。

『部長?ふーん。』
その時はあまり気にしていませんでした。
それより、”いきなり飲みの席”ということが気になりましたが、
『まあ、大学の飲みの方が激しいだろう。大人の飲み会なんて、おとなしいもんなんじゃないか?』
と思っていました。

しかし、これが違った。

今ならわかりますが、現場マンの飲み。
そんなにおとなしい訳は無い。

市ヶ谷の堀沿いの桜の下でした。
僕たち以外の花見客も結構いて、なかなかの盛り上がりでした。
僕たちの席も負けず劣らず、なかなかの激しさでした。
当然「飲め、飲め」と進められます。
ところが、僕以外の2人は割りとおとなしめだったんですね。
僕にはそう見えたんです。

そんな時に、ビンゴ大会が始まろうとしてました。
「おい、新人の誰か、司会やって」
副所長から、声が掛かりました。
2人が躊躇していたので、
『ハイ、私がやります!』
僕が手を挙げました。

この時、何を思っていたか。
正直、2つありました。
ひとつは、「なんだ、今年の新人は根性が無いな」と思われたくない。
もうひとつは、僕はいわゆる体育会系の人間で、他の2人はちょっと違っていた。
なので、『こういう場でこの2人には負けられ無い』と単純にライバル心というか、ええカッコしいというか、そういう気持ちがありました。

いや〜、全力でやりました。
正解だったからなんて、全然わからなかったけど。
司会やりながら、一気っぽいこともやり、とにかく盛り上げようと必死にやりました。
なんとかやり遂げると、所長に呼ばれました。
所長の前に座ると、ビールを注いでくれました。
所長はニコニコしながら隣の席の部長に
「今度の新人、いいでしょ?」
部長は
「お前、面白いな。いいぞ。そのまま、頑張れ。」
と言って頂きました。
これは嬉しかったです。
『頑張って、手を挙げてよかった。』
純粋にそう思いました。

と、ここまでなら、なかなかいい思い出なります。

事件はここから起こります。

※本記事ベースのVTube動画です。→ https://youtu.be/KrJxpFhBNMQ