建設現場でがんばる若いゼネコンマンへ 〜その13〜

Photo by uraright

【僕が現場でやらかしたこと、あれこれ(2)】

ふたつ目は、単純にやらかした話です。
それは、例の”解体・建て直し現場”での話です。

この現場、非常に厳しい工事監理の方がいらしたんですね。
本体の超高層がメインではあったと思うのですが、低層棟の方も同じ監理体制でした。
今でこそわかりますが、監理者としては、こうした大規模案件で一部先行するところがあれば、”施工者の能力と姿勢”を確認出来るので、よりハイレベルの視点・姿勢で現場監理に当たる”ことになりますよね。
そんな中で、単純な初歩的ミスがあれば、”この施工者、大丈夫か?”となり、以後の信頼関係や検査対応に不安が付き纏いますよね。
そんなことが無いように、最初こそしっかりしたものをお見せする、見て頂くことが必要になるかと思います。

ただ、やらかしました。

統括監理の方の現場巡回の時でした。
こちら側も低層棟担当だけで無く、本体含めた現場全体の工事長・工務長が同行しました。
さながら、”白い巨塔”の総回診のようでした。

僕は低層棟現場担当として、同じく担当の先輩とこの巡回に同行していました。

よくは覚えていませんが、統括監理から細かい指摘を多数受けたと思います。
その度、工事長・工務長が「ハイっ」「ハイっ」と返事していました。
当時の僕は”工事監理”の意味も知らず、『うちの会社じゃないこの人は何の役目なんだ?どのくらい偉いのかな?』としか思っていませんでした。
なので、うちの会社の偉い人が緊張してる様子で対応しているのはなかなか不思議でした。
僕は指摘されてる内容は全くわかりませんでしたが、先輩が苦悶の表情に変わったいくのはわかりました。

で、本当になかなかのダメっぷりだったんでしょう。
ついに堪忍袋の尾が切れました。
工務長の。

RC造だったのですが、ある場所の”差し筋忘れ”を指摘されたんですね。
工務長が統括監理に2〜3度頭を下げた後、こちらにくるっと振り向くと、先輩・僕と続けざまに”パコーン”、”パコーン”とヘルメット越しにハタカレました。
僕は急なことでビックリしました。
ただ、ビックリしました。
先輩を見ると”やってしまった”という表情でした。
(これ、今なら”パワハラ”ですかね(苦笑)?しかし、この時は素直に受け入れていました。時代ですね(苦笑)。今は、”ダメなんじゃないかな?”と思いますよ。)

後から、”なんで怒られたのか?”を先輩に教えてもらいました。

これも、今なら工務長の気持ちがわかります。
『今後もあるのに勘弁してくれ!ちゃんと、チェックしろよ!』
かと。
僕でもそう思います(苦笑)。
一方で、先輩には申し訳無かったという気持ちです。
“僕がもう少しまともに機能していれば、防げたミスはたくさんあったのではないか?”ということです。

なので、自分のこのような苦い経験を今の若手はしないように、現場で気づいたこと・これから起きそうなことは、積極的に声掛けするようにしています。

と言えば、それっぽいですが、このお話しは単純に”現場で、上司にいきなりハタカレて、びっくりした”、というお話しでした!

※本記事ベースのVTube動画です。→ https://youtu.be/5FvP-DMsQ2M