建設現場でがんばる若いゼネコンマンへ 〜その1〜

Photo by yokoichi

【現場って大変ですよね】

こんにちは。
僕はゼネコンの現場監督出身の一級建築士で現在プロジェクトマネジャーをやっています。

建設業界の人たちだと、”CM(コンストラクションマネジメント)”という言葉を聞いたことがあるかもですが、正にその仕事、『建築プロジェクトの取りまとめ役』といった仕事をしています。

僕らはわかりやすいように状況に応じて”CMr(コンストラクションマネジャー)”であったり、”PMr(プロジェクトマネジャー)”と自分達を表現しています。
“コンストラクション”はどちらかと言えば、建設に特化したイメージが強すぎるので、僕らは企画・構想段階から入り込むことが多いことから、”プロジェクトマネジャー”と名乗る方が多いし、しっくり来る気がします。
厳密に言えば、PMrとCMrで役割が違うのですが、大部分で重なるので、まあどちらでもOKと言うのがホントのところです。

さて、これからするお話しは現場で働く若いゼネコンの工事係の若い世代の方々に向けて送りたいと思います。

“何故、若い人”とするかと言えば、僕自身が現場で大変厳しい思い、苦しい思いをしたことがあるからです。
しかも、レベルの高い話では全くありません。
ただただ「嫌だな」「行きたくないな」「向いてないんだよ」というような”ヘタレ丸出しボウズ”だったのです。
それが、26年前です。
そこから、いろいろな経験を積み、今は建築プロジェクトを取りまとめる”PMr(プロジェクトマネジャー)”をやっています。
やれちゃってるんです。
でも実は、今のそんな自分にほんのちょこっと『成長出来てるのかない?伊達に歳は取ってないってことか?』と感じていたりしてます。
大分、運に助けられてここまで来てるんですけどね(苦笑)。

そんな”現場の落ちこぼれ”だった僕が最近現場で気になることが増えてきました。
それは、『若手の元気が無いんじゃないか?』ということです。
確かに現場に若手はいるにはいますが、悪く言えば”いるだけ”。
自分がやっている仕事へののめり込み方が足りてないかな?という印象を受けます。
その結果、当然現場全体のクオリティに影響しています。
僕の同世代がちょうど所長や次席といった要職についているのですが、彼らは彼らでこの状況に困っているようです。

この状況は、僕の眼から見て、すごく”勿体なく”映ります。
今の若い人たちは、基本的に頭も良く現場でモバイル端末を自在に操り、効率よく仕事をこなせるポテンシャルを持っていると思います。
僕の若手時代に比べて全然優秀です。
しかし、現場でそれが活かされない。
往々にしてよくあるのは、
『現場で起きている現象・状況に気が付かない』
『気が付かないので、先手が打てない・対応が出来ない』
ことです。
これは、経験や訓練もさる事ながら、”いかに現場と向き合ってるか?”ということがポイントかと思います。

とまあ、こんなことを言ってる僕ですが、現場時代の僕はこれがまるで出来ていなかった。
出来てないから毎日上司・先輩に叱咤されていました。
必死に自分なりにがんばったつもりでしたが、今振り返っても、足りていたとは思えません。
でも、そんな現場時代を過ごした僕に『いくつも何度も指摘される現場(の社員)ってどうなんだ?』と思ってしまっています。
昔の”クオリティを求める厳しさ”は必要無くなった?
僕の気が付かないところで、現場の在り方が変わってきてしまったのでしょうか?
そんなことは無いと思いますが、仮にそうだとしても、この若手のポテンシャルの無駄遣いは勿体ない。

若い皆さんの中にも”現場が大好き”という人も大勢いると思います。
僕の同期にも”現場大好き人間”は沢山います(笑)。
もちろん、彼らにも大変なことはありますが、好きなので、楽しみながら乗り越えていってるように見えます。
そんな人たちは、どうぞ今のままがんばってください。
僕があげられるヒントなんか恐らく必要無いでしょう!
そして、悩み苦しんでいる同僚・後輩がいたら、少しだけ助けてあげてください。
苦しんでる人たちも、結局は自分が乗り越えなければならないので、ほんの少し助けてあげれば十分だと思います。
そして、人を助けることは、”周りがよく見えている。そして、その状況を判断し、的確な行動をする。”ということなので、将来の自分に必ずプラスになると思います。

さて、現場で仕事をしていて、
「このままでいいのか?」
「どうしたらいいのか?」
と悩んでいる人たち。
そんな人たちが僕の話を知って、
「なんだ、そんなに悩むことじゃない」
「こんな奴がやれたなら、自分もやれる」
と、少しでも前向きになれる何かの切っ掛けになれば嬉しいです。

では、僕のこれまでの道のりを踏まえて、僕の考えをお話ししていきましょう。
お付き合い頂ければ幸いです。

※本記事ベースのVTube動画です。→ https://youtu.be/oQFAsY8BLJs