【書評】『言語化力』三浦崇宏
「僕は言語化力が無いな・・・」
そんなことを考えている最中、この本と出会いました。
「この本を読めば、少しは言語化力が上がるのでは無いか?」
そんな期待がありました。
『変化の時代を生き抜くための言葉の使い方がこの本には書いてある』
確かに、『言語化には「段取り」がある』と
0:スタンスを決める
1:本質をつかむ
2:感情を見つめる
3:言葉を整える
の4つのプロセスの解説があり、更に『「言葉の因数分解」で自分を見つめ直す』など”「言葉にする」方法”がいろいろ示されています。
しかし、この本は、決してテクニック論では無く、僕達の声に出来ない感情、伝えることを躊躇っている思いを相手に伝えるための具体的な方法を示しながら、背中を押してくれていることに気づきました。
冒頭の「僕は言語化力が無いな」
この言葉を因数分解して見ると、”言語化力が欲しい”のでは無く、”人を動かしたい。人を動かして、今の状況を打破したい。今の危機を突破したい。”と感じていることに気づきました。本の通り、自分を深く見つめ、気づかなかった自分の本当の思いに気づけました。
そしてもちろん、『人を動かすときの3つのポイント』をはじめ、いくつもの言葉で人を動かす方法が書かれています。
どれもとても納得出来て、常に意識しているべきものと頭と心に刻みました。
また、三浦さんは同時に言葉の怖さについても教えてくれています。
『言葉というのは危険なものである。言葉の威力に怯えなくてはいけない。ぼくたちは全員ナイフを持って、振り回しながら生きている。それくらいのイメージでいたほうがいい。言葉によって人は死ぬ。言葉によって人が生かされるということもある。』と。
この本は、背中を押してくれています。
『答え合わせはまだ先』
『まだ始まってもいねえよ』
いずれも、力強い言葉ですね。
そして、しっかり書かれていました。
『もしかしたら、もう気づいているかもしれないが、この本はあなたのために書かれた。』と。
やはり、三浦さんのエールだったんですね。
“言語化力が上がれば。何かヒントが掴めれば。”そんな感じの期待だったのに、読み終えた後にはすっかり、それ以上の勇気をもらっていました。
だけど、僕が一番しびれたのは、三浦さんがかつて交際していた女性が三浦さんに言われた
『仕事の報酬は仕事だよ』
です。
思わず、”深い!”と唸ってしまいました。
この本は、僕の人生を応援してくれる一冊になりました。