【17年前に『ワイドショーはすごいな』と感じたことがあるよという話】

David MarkによるPixabayからの画像

最近、いわゆる昼間の“ワイドショー番組”、“情報番組”に厳しい視線が送られていると聞きました。

視聴者から「正直どれも内容は似たり寄ったり」「つまらない」「くだらない」「いらない」という辛辣な声があるようです。
SNSでも、番組MCやコメンテーターの発言などに対する批判の声が非常に多いとのこと。

この背景には、連日の新型コロナウイルスの報道で「煽りすぎ」「うんざり」とことで、これらをきっかけにワイドショーや情報番組が余計に嫌いになったという人もいるようです。

そのような厳しい状況のワイドショー番組ですが、僕自身、ワイドショーに衝撃を受けた記憶があります。

それは、僕が当時勤めていた会社を辞めて独立した17年前にさかのぼります。

会社勤めをしている間、平日昼間のワイドショー番組は、ほぼ観ることはありませんでした。

それが、会社を辞めたことにより行動が自由になったことで、昼食を取りながらなど、自然と観ることが増えたんですね。

正直、結構、衝撃を受けました。

何故かと言えば、事故・事件、災害、政治、その他(芸能関係)をかなりの時間をかけて多種多様な切り口で、ある意味“わかりやすく”伝えていたんですね。

会社で仕事をしている多くのサラリーマンは、同じトピックであっても、恐らく朝の出勤前のニュース、帰宅後の夜のニュース番組くらいでしか、その情報に触れる機会は無かったんじゃないかと思います。

当時はスマホも無かったので、主な情報収集はテレビ、新聞、週刊誌だったと思います。

一方、昼間のワイドショーを観ている人が高齢者層や主婦層を中心に相当数いる訳です。

単純に驚いたのは、『ワイドショーは朝・夜のニュース番組よりも、良し悪しや真偽は別として、細かく分かりやすく伝えているな』と感じたことです。

番組ではひとつの話題について事細かく解説され、コメンテーターが意見を交わしていました。
しかも、次の大きなトピックが出てくるまで、毎日毎日同じテーマでも少しずつ情報を追加したり視点を変えたり。

内容の良し悪しや真偽の問題はあると思いますが、この圧倒的な情報量を視聴者が受け、インプットされていきます。

この結果、何が起きるかというと、“家庭内での情報格差”です(苦笑)。

つまり、“ワイドショーを観てる人”と“ワイドショーを観ていない人”で、世の中で起きている話題・問題に対しての捉え方の差が生まれる、ということです。

“ワイドショーを観ていない人(=例としてサラリーマン)”は会社や取引先含めた自身の周辺を相手に、その中で最適化を図り成果を出すようにがんばっています。

社会人として仕事をすることは「社会を良い方向へ引っ張っていくことだ」と思っていましたが、ワイドショーを観て『そもそも世の中の方向性、世論というものは仕事をしているものからの発信というよりも、もっと別な多くの人達の感情で動かされているのでは無いか?』と思いました。

そして、その感情の構築に、ワイドショーは大きく関わっているんじゃないかと感じました。

『ワイドショーが世論を誘導しているんじゃないか?』と思ったくらい(苦笑)。

もちろん、“ワイドショーを観ている人=仕事をしていない人”である訳ではないので、この括りがふさわしくないのは承知しています。
当然、サラリーマンだけが仕事をしている人の訳でも当然ないので。

しかし、冒頭でもお話ししたように、最近では「正直どれも内容は似たり寄ったり」「くだらない」「いらない」という厳しい声があるようです。

これは、ネットの進化・発展などにより、個々人がもっと多種多様な情報をタイムリーに入手できるようになったことが影響しているんだろうと思います。

こうなってくると、ワイドショーとしては、少しでも人々を引き寄せたいという気持ちからより刺激的な話題を求めたり、不安を煽るような内容になってくるのかと。

ただその一方で、いろいろなルールや忖度の関係で言いたいことが言えないこともある。
そうなると、どうしてもどこの番組も似たり寄ったりになってしまう。

結果、余計に「煽りすぎ」「くだらない」「うんざり」ということで人が離れてしまうという、負のスパイラルに陥っていると思います。

『真に役に立つ、人に気づきを与えるような情報を伝えてくれれば、本当に良いのにな』と思うのですが、難しいんですかね?

とは言え、17年前にワイドショーを観た時には、確かに『ワイドショーが世論を誘導しているんじゃ無いか?』と思ったくらい衝撃を受けました。

しかし、今は大きく状況は変わっていますね。

「ワイドショー番組”、“情報番組”に厳しい視線が送られている」という話を聞き、ふと、昔を思い出したお話しでした。

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