Giving the Battle a Reason.

SJF-CREATE Development Archive #029

Giving the Battle a Reason.

敵がいる。

武器がある。

プレイヤーは敵を倒しながら先へ進む。

ゲームとしては、それだけでも成立します。

THE LEGEND OF MISTRAL_GENESISも、もともとはシューティングゲームとして遊べる場所でした。

しかし、現在のMISTRALという世界から改めて見たとき、一つの問いが生まれました。

「プレイヤーは、なぜここで戦っているのか。」

GENESISの再開発は、その理由を作るところから始まりました。


A Game Before the Story.

以前のGENESISには、すでにゲームとしての仕組みがありました。

敵を倒す。

閉じ込められた場所から脱出する。

条件を達成すると次のエリアへ進める。

最後には強い敵が待っている。

つまり、ゲームプレイの骨格そのものは存在していました。

一方で、それぞれの戦闘がMISTRALの世界の中で何を意味しているのかは、十分には結びついていませんでした。

ゲームはある。
しかし、その戦いの理由がまだ弱い。

そこが、現在の視点から見えた課題でした。


Do Not Replace the Game.

そこで、GENESISをまったく別のゲームへ作り直すことはしません。

既存のマップを使う。

戦闘を残す。

敵を突破しながら進む構造も残す。

最後の強敵との戦いも残す。

変えるのは、そのゲームプレイが持つ意味です。

プレイヤーがすでに行っていた行動を、MISTRALの物語の中へ置き直します。


The Ancient Wind Kingdom.

新しいGENESISの舞台として考えたのは、古代の風の国です。

そこへ何者かが侵攻している。

プレイヤーは、その地を奪還するために戦う。

すると、同じ敵との戦闘でも意味が変わります。

単に配置された敵を倒しているのではなく、

侵攻してきた敵を押し返している。

次のエリアへ進むことも、

奪われた土地を取り戻しながら前進している。

という出来事になります。

ゲームの仕組みを変えなくても、世界との関係を変えることで体験の意味は変わります。


The Wind Orbs.

さらに、戦いの目的を目に見える形にするために考えたのが、

《風の聖珠》

です。

半透明の結晶のような球体。

淡い水色の光。

内部には風を思わせる光の流れ。

古代の紋様。

それは単なる収集アイテムではありません。

この場所にとって重要なものが奪われている。

だから、それを取り戻す。

プレイヤーが戦う理由を、ゲーム内に存在する物体として見せます。


Two Orbs, Two Milestones.

風の聖珠は、一つではありません。

中間地点で一つ。

そして、最終地点でもう一つ。

二つを取り戻すことによって、ゲーム全体に明確な節目を作ります。

敵を倒し続けるだけでは、どこまで進んだのか分かりにくい。

しかし、

一つ目の聖珠を取り戻した。

という出来事があれば、プレイヤーは自分が何かを達成したことを理解できます。

そして、

もう一つが残っている。

という次の目的も生まれます。


Reward as Story.

通常のゲームなら、ボスを倒した報酬として武器やスコアを渡すこともできます。

GENESISでは、その報酬そのものを物語へ変えようとしています。

敵を倒す。

封印が解除される。

風の聖珠へ近づく。

プレイヤー自身がインタラクトする。

そして、聖珠を手に入れる。

この短い流れだけでも、

「敵を倒したからアイテムが出た」

から、

「守られていた聖なるものを奪還した」

へ意味を変えることができます。


Let the Object Carry the World.

すべての世界設定を文章で説明する必要はありません。

風の聖珠が、

普通のアイテムとは違う姿をしている。

封印されている。

敵に守られている。

取り戻すことが目的になっている。

それだけでも、

「これは、この世界にとって重要なものなのだろう。」

とプレイヤーは想像できます。

Worldbuilding can exist inside an object.

一つの小道具にも、世界観を背負わせることができます。


From Shooting Range to MISTRAL.

GENESISの再開発で目指しているのは、戦闘を複雑にすることではありません。

むしろ、既存のシンプルなゲーム性を活かしながら、

「これはMISTRALの中で起きている出来事だ」

と感じられるようにすることです。

敵。

土地。

目的。

風の聖珠。

それらが一つにつながれば、同じ戦闘でも体験は変わります。

ゲームシステムの上に物語を載せるのではなく、

ゲームシステムそのものを物語の出来事として読み替える。

それが、GENESISで試している再開発です。


Looking Ahead.

過去のゲームには、その当時の技術や発想で作った遊びがあります。

それをすべて捨てて、新しく作り直す必要はありません。

今あるゲームプレイを見つめ直し、

「この戦いは、世界の中で何なのか。」

「このゴールには、どんな意味があるのか。」

と問い直す。

そこから、古いゲームと現在のMISTRALを接続することができます。

The battle was already there.
Now it has a reason.

GENESISは、シューティングをする場所から、

古代の風の国で、失われたものを取り戻す戦いへ。

少しずつ、その意味を変え始めています。


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