The World Is Never Finished First.
SJF-CREATE Development Archive #027
The World Is Never Finished First.
世界を作ってから、物語を書く。
設定を決めてから、ゲームを作る。
一見すると、それが正しい順番のように思えます。
人物。
歴史。
地理。
文化。
建築。
出来事。
それらを完全に決めてから制作へ進めば、矛盾のない世界を作れるようにも見えます。
しかし、MISTRALを作り続ける中で、その方法には一つの問題があることが分かってきました。
世界は、完成を待っているといつまでも完成しない。
The Bible Is a Blueprint.
MISTRALでは、世界設定を一つの資料として整理しています。
人物の関係。
国の歴史。
物語の背景。
重要な出来事。
世界を支えるルール。
こうした情報を蓄積した世界設定書は、制作にとって重要な基準になります。
しかし、設定書そのものが作品ではありません。
それは、
世界を作るための設計図です。
設計図は必要です。
しかし、設計図だけを描き続けても、そこに人が歩ける世界は生まれません。
When the Scene Becomes Visible.
文章で設定を考えていると、成立しているように見えることがあります。
ところが、その場面を映像として想像すると違和感が出る。
この人物は、なぜここにいるのか。
この距離で、この出来事は成立するのか。
このタイミングで、この台詞を言うだろうか。
この場所は、実際にはどんな構造なのか。
頭の中でカメラを置いてみることで、設定だけでは見えなかった問題が現れます。
Scene makes the world answer questions.
場面にすることが、世界設定のテストになります。
The Movie in the Head.
MISTRALを考えるとき、最終的に確認したいのは、
「映画として見たときに成立しているか。」
ということです。
誰が画面にいるのか。
どこから現れるのか。
何を見ているのか。
その瞬間、何を感じているのか。
そして、次の場面へどうつながるのか。
映像として成立しなければ、設定を見直す。
逆に、映像として強い場面が見えれば、そこから新しい設定が生まれることもあります。
設定から映像へ。
映像から設定へ。
制作は一方向ではありません。
The Novel Is Another Test.
小説も同じです。
設定書には、
「この人物はこういう性格である」
と一行で書くことができます。
しかし、小説では、その性格を行動や言葉として見せなければなりません。
そこで初めて、
「本当にこの人物はこう動くのか。」
という問いが生まれます。
設定上は正しくても、物語の中では不自然かもしれない。
その場合、作品を設定へ合わせるのではなく、設定そのものを再検討することもあります。
Games Ask Different Questions.
ゲームにすると、さらに別の問題が現れます。
物語としては美しい場所でも、プレイヤーが歩いて面白いとは限りません。
設定上重要な建物でも、ゲームの中では目的が分からないかもしれません。
映画なら数秒で通過する距離が、ゲームでは長すぎることもあります。
同じMISTRALでも、
小説。
映像。
ゲーム。
それぞれが世界へ違う質問を投げかけます。
そして、その答えを世界設定へ戻していきます。
Do Not Wait for 100 Percent.
世界設定を100%完成させてから制作を始める。
MISTRALでは、それを目標にしないことにしました。
必要な骨格を作る。
矛盾しないところまで整理する。
そして、実際に作品へしてみる。
そこで問題が見つかれば直す。
新しい発見があれば加える。
Build. See. Test. Return.
この循環を繰り返しながら、世界そのものを育てていきます。
Version, Not Completion.
だから、世界設定書にもVersionがあります。
Ver.1は「世界の最終回答」という意味ではありません。
現時点で、作品を作り始めるために必要な基盤です。
作品が生まれれば、新しい問いも生まれます。
その問いによって、次のVersionが作られるかもしれません。
世界設定書が作品を支え、
作品が世界設定書を更新する。
その関係を続けていきます。
Looking Ahead.
MISTRALは、おそらく完全には作り切れません。
頭の中にある世界すべてを、ゲーム、映像、小説、3Dモデルとして存在させるには、あまりにも大きいからです。
しかし、それは制作を止める理由にはなりません。
一つの場所を作る。
一つの場面を書く。
一人の人物を動かす。
一つのゲームとして歩けるようにする。
そのたびに、MISTRALは少しずつ現実のものになります。
Do not finish the world before creating it.
Create it, and let the world reveal itself.
完成した世界から作品を作るのではなく、
作品を作りながら、世界を完成へ近づけていく。
それが、現在のMISTRALの作り方です。
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Development

