【『交渉とは、”マウンティング”でも、”説得”でも無いと思うよ』という話】

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相手との交渉や話し合いの場面は、ビジネスの現場では日常です。

もはや、身内での打合せも含めた複数人で意思疎通を図る場面は全て”交渉”と言っても過言では無いと考えます。

そして、相手との交渉・話し合いがうまくいかないことも多々あります。
実感として、「100%うまくいった」と感じることは少ないのでは?と思います。

なぜ、うまくいかないのか?

ポイントは、”相手目線”だと考えます。

この場合、”相手”とは、まさに自分と相対している個人と想定します。

文字通り、交渉相手に立った目線のことですが、その目線の先が2つに分かれます。

ひとつは、”その課題を解決するためにその交渉相手自身が身体を使って動かなければならない場合”です。

単純に「自分が大変な思いをするな〜」というネガティブな感情に支配される訳です。

これには、如何にサポートを手厚くし、その人に過大な負荷が掛からないように、その人だけが大変な思いをしないように対策を講じることを説明し、それを見せてあげることが大事になります。

もうひとつは、”その交渉相手が別な誰かに指示やお願いや説明をして、課題を解決しなければならない場合”です。

相手担当者が課題解決と社内組織の要になってる場合ですね。

例えば、担当者が上司の許可をもらい、仕事を進める場面なんかがこれに当たります。

社外パートナー交えた担当者ベースの打合せで『これでいきましょう』と方向性が固まった時に「では、上司に確認して」と返事をされてしまう。

これ、よくありますよね?

相手担当者が「上司に確認して」というのは問題ありません。
むしろ、ガバナンス上当然です。
それに、土壇場でひっくり返される方がダメージおおきですからね。
しっかり決済者の了承は得ておきたいです。

この時に心掛けたいのが『相手担当者が上司を説得する、上司にうまく説明する方法を一緒に考えてあげる』ということです。

それが、こちらの提案を受け入れる、採用するというものであればなおさらです。

相手担当者に任せるのでは無く、一緒に上司に相対する気持ちを表して、ある意味”チーム意識”を作ることが大切です。

実はこれは、相手が社長のような組織の長の場合も同じことが言えます。

トップとしては是非進めたいと考えても、部下や社員の反発を買うのは本意ではありません。
その際は『社員が理解する、納得する説明を一緒に考えてあげる』ということが必要になります。

いずれにしても、大切なのは『相対する相手本人に寄り添い、相手本人が先方組織の中で苦しい立場に立たないように一緒に考える』という姿勢を見せることです。

要は『私達はチームだ』という意識を共有することです。

交渉相手である相手担当者を”説得”するのではありません。
交渉相手である社長を”説得”するのではありません。

交渉相手に寄り添う姿勢・気持ちが大切です。

そもそも、立場は違えども、目指すゴールは同じはずです。

そうすると、目の前の交渉相手はプロジェクトを前に進める”仲間”に変わります。

結果、プロジェクトは成功へと向かい、みんながハッピーになると思います。

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