【ワークマンと建築プロジェクト】

showninによるPixabayからの画像

ワークマンと建築プロジェクトについてのお話しです。

ワークマンと言えば、公式HPによると、『ワークマンはワーキングウエア(作業服)・防寒着・安全靴・長靴、レインスーツ(合羽)の専門店チェーンで、働く人のためのコンビニエンス・ストアをめざしています。仕事場で使う商品を幅広く品揃えして、朝の仕事場へ行く途中でも、短時間にお買い物ができる店です。』とのこと。

まさに、建設現場で仕事をする人の多くがお世話になっていると思います。

ただ、今回のお話しは、その”ワークマンと現場”というお話しではありません。

ワークマンには、もうひとつ『WORKMAN Plus+(ワークマンプラス)』という
アウトドア、スポーツ、レインウエアの専門店という業態店舗があります。

そのコンセプトは「働くプロの過酷な使用環境に耐える品質と高機能をもつ製品を、
値札を見ないでお買い上げいただける安心の低価格で届けたい」というもので、大変人気となっているようです。

たまたま、お昼ご飯を食べながらテレビを観ていたら、『WORKMAN Plus+(ワークマンプラス)』の話題を取り上げていました。(”中居正広のニュースな会”(テレビ朝日))

その中で、

「何故、高機能・高品質なものをこの値段(低価格)で提供できるのか?」

との問いに

「先に値段を決めている。”この商品ならいくらくらい”と。”その値段で実現できる機能・品質は何か?”という視点で追求・開発している」

というようなやり取りがありました。

それを聞いた時に、

『あ~、僕が理想としている建築プロジェクトのやり方に似ているな~』

と思いました。

どういうことかと言うと、”価格を先に決めて”というは少し当てはまらないのですが(ただ、僕の場合、事業を行うクライアントがいる訳で、そのクライアントの予算が決まっているという意味では同じとも言えます)、”実現するべき機能・品質を追求する”という点は、まさに同意です。

僕がプロジェクトを推進するにあたって、最も注目するのは”実現するべき目的と機能”です。

それは、
『この建築プロジェクトは何のために行われるのか?』
『その実現のために何が必要なのか?』

ということです。

つまり、クライアントが

『真に何を欲しているか?』
『クライアントが実現すべきことは何か?』

ということです。

クライアントの目的は”建物を建てる”、”施設整備をする”ということではありません。

”そこで行われる何か(価値や意味)”、”そこから生み出される何か(価値や意味)”のために建物を建てたり、施設整備をしたりする訳です。

そして、『WORKMAN Plus+(ワークマンプラス)』が支持されている理由は、目的に沿った機能・品質・価格を確保した上で、そのデザイン性にあります。

従来の機能・品質・低価格だけであったら、作業員さん・職人さん用のものと変わらない訳です。

そこに、一般の人、さらに女性にも受け入れてもらえるようなデザインとし、ブランディングを展開しているのです。(”ワークマン女子”という女性の専門店も)

僕が建築設計者(デザイナー)に期待するところもまさにここで、

『必要十分な機能・品質・価格を満たした上での”キラリと輝くデザイン”』

ここを実現するために、是非、能力を発揮して頂きたいと思っています。

今まで多くの建築プロジェクトに関わってきましたが、ここに抜群の能力と存在感を発揮して頂いた設計者は、残念ながら多くありませんでした。
もちろん、素晴らしい設計者(デザイナー)はいました。

建築プロジェクトは、いろいろなスキルを持った人がチームを組んでプロジェクトを成し遂げるものなので、特定のあるひとりだけの責任ではありません。

ただ、設計者(デザイナー)の責任と存在感が大きいのは事実で、それゆえに

『必要十分な機能・品質・価格を満たした上での”キラリと輝くデザイン”』

という意識を持たれていないと、機能・品質・価格・デザインの間のバランスを欠いていたり、クライアントの納得を得られるものではなかったり、結局、プロジェクトとしては十分な満足を得られないことになる恐れがあります。

設計者(デザイナー)は、当たり前ですが、自分のアイディア・デザインを守ろう、実現しようとします。
これにより、本来クライアントやプロジェクトの求める目的に対し、わずかなズレや歪みが生じると、プロジェクト全体の方向性がゆがんだりします。

なので、僕はプロジェクトをより的確にスムーズに進捗させるには、『設計者(デザイナー)に寄り添ったサポートをした方が良いのではないか?』と考えています。

なかなかこのような意識は設計者(デザイナー)に理解して受け入れてもらうのは難しいんですが、今回、ワークマンの成功のコンセプトを観て、

『やはり、市場(顧客)が潜在的に求める意識はそこにあるよな~』

と再認識しました。

これからも、丁寧に設計者(デザイナー)と会話を重ねながら、プロジェクトの成功に邁進したいと思います。


話しは変わるんですが、改めてアパレルショップとしての『WORKMAN Plus+(ワークマンプラス)』の素晴らしさを感じました。

まだ『WORKMAN Plus+(ワークマンプラス)』未体験なんですが、八ヶ岳との二拠点生活を目論んでいるものとしては、大注目というか確実にお世話になるだろうと。

特に、

”ワークマン 綿アノラックパーカー S020A( オールシーズン 焚き火ジャケット 屋外レジャー キャンプ ”

キャンプファイヤーや暖炉など火を扱う時の衣服が気になるので、これはかなり目を引かれました。

こうなるともはや、僕の服関係は”『ユニクロ(UNIQLO)』『WORKMAN Plus+(ワークマンプラス)』”で完結するんじゃないかな?

とすら思えてきますね!

ゼネコン現場監督出身の現役建築プロジェクトマネジャーが語る『ツラい現場を経験した今も建設業界で生きている人間の実例』 Kindle版
諏訪寛  (著) 形式: Kindle版